
リスペクツという面白い集団が開催しているRe:AL(リアル)という講習会。
デモンストレーションが主体となるこの講習会では今までいろいろと面白い企画をしてきたようだ。
これは4/27に開催された
Re:AL(リアル)〜染ノ章〜
『百花繚乱』
これらはリスペクツ帝さんの企画とのこと。
私の口から説明するよりも帝さんから聞いたほうが面白さが伝わるの思うので
(実際に帝さんから説明を聞き、わたしはワクワクした)
気になる方はこちら↓をチェック
https://www.facebook.com/respects.jp
(facebookページをいいねしておけばそのうち講習情報が投稿されます)
今回のRe:ALの内容は・・・
[HCカラーvsコナカラーvsアルカリカラー]
Re:ALシリーズ始まって以来、初のカラー講習会とのこと。
還元剤のリスペクツと呼ばれるだけあってパーマをメインに行ってきたようです。
ずっと「染ノ章」を開催したかったと伺い、抜擢されたとなれば身が引き締まる思い。
引退した身で引き受けるべきかか一瞬頭をよぎりましたが
これはとても光栄なことで、即答で受諾いたしました。
施術を人前で行う講習はこれを最後とし、一つ明確な節目にできるかも。そういう機会でもあると自分の中で解釈できた。
引退していつまでも施術を展示する気は元々なかったが、「出来るだろう」という目もあるので引退してこの1年間は講習にて施術展示も行ってきた。
もちろん、Re:ALが終わり、今も若手育成のための講習会や商材の勉強会など今までと変わらず行っておりますが、施術は基本しないようにしています。施術をしないことでエデュケーションの核心にさらに一歩近づいた感触を得たからです。この続きも書きたいのですが、話を元に戻し・・・
今回、Re:ALに参加する上でひとつチャレンジをしました。
それは・・
今まで使い慣れたコナカラーでなく、
今市場に出ている一番新しいブランドを使用するということ。
新しいカラーを使いこなすには程度の期間を経験が必要だ。ましてや今は現役ではないので実験や施術する回数も限られる。でも使ったことないカラーというのはドキドキ、ワクワクですね。
使っていないといっても今市場に出回っているいろんなブランドのコナカラーが出来た背景などすべて知っているだけに・・・(サプライヤー側にも長年足を踏み入れているとねw)
わたしがずっと使っていたのはコナカラー(ここではハイブリッドパウダーカラーと限定する)は一番最初のものでパイオニア的存在。そして今回使ったのは最新のブランド。最新ならでは、既存の同種ブランドのリサーチからウィークポイントを突いた改良を踏まえたものとなる。(改良したからといえ総合的に越えるかどうかの指標にはならないし同一線上での比較が出来るとも限らないが)
現段階での最初と最後を語れば、そのカテゴリーの大筋を説明できると仮説を立て、講習を構成していった。
カテゴリー的には若いコナカラー(ハイブリッドパウダーカラーと限定しなければ、全然若くないコナ状カラーwましてや最年長だw)、コナカラーブランド同士が競合し、健全な競争が起こり全体的に成長してもらいたいと思っている、またその一端を担うべく所にも立っていると自覚している。コナカラーの将来を久しぶりにいろいろと考えたキッカケにもなった。
ただ、講習というのは人のためのもの。(昔、教えることは自分が一番勉強になると言ったこともありましたが、今はそう思いません。受けた人が一番勉強になるもの)
挑戦をしながらも、明確に講習を設計していきました。久しぶりにサロンワークもさせていただきました。実践も踏まえて講習会に臨む準備期間も十分にありました。
各カテゴリーを背負い、それぞれが教壇に立つリアルという講習のコンセプト、面白い。
その講師陣ラインナップは・・・
HCカラーは当然長谷川氏!
HCとはハセガワのことw
今、もっとも旬な長谷川先生
アルカリカラーは大御所Hair Spaの山口氏
日本のヘアカラーを牽引し続ける山口先生
(6月16日より同代官山で店舗移転、店名もanemoとなり新たにリスタート)
http://anemo-blog.tumblr.com
そして
コナカラー担当は・・・w
講習前にマシーンで集中力を高めますw
今話題の長谷川氏と、よく手本にさせていただいておりました山口氏と同じステージ立つ機会がやってくるとは思いもよりませんでした。光栄なことです。
講習決定し、まず最初に行ったのは・・・
コナカラーチーム結成。
チーム結成となれば、やっぱりこの人。いつも必ず手伝ってくれる米田くん(写真上段左から2人目。どこで講習しようが必ず駆けつけてくれる。とても熱心な25歳の若手カラーリスト)そして私が尊敬する美容師仲間でもあるアコット代表千原先生の好意により若きエースのkotaくん(写真一番右上)、アヤパン(その左隣のダブルピース女子w)がアシスタントをしてくれることに。自分のお店のスタッフを手伝いとはいえ快く協力してくれるこの寛大さ、なかなか出来ません(最初はアシスタントとしてお願いしていたのですが、二人ともスタイリストだしせっかくなのでモデル一人デモをするようにお願いしました。若い子にもチャンスはあった方がいい)
こうやってチームをすぐに結成できるなんて
本当に有難いことなのです。本当に。
講習での持ち時間は100分
限られた持ち時間内で
デモンストレーション+α
わたしは今回
コナカラーとデザインをテーマに。
こちら私のデモンストレーション。
このような設計
ミニマムデザイン。
上記の三カ所だけ染めれば全体的に染めたように見える。
中明度の場合、全体に染めたように見せたい場合には
全体に染めない方が無駄がなく陰影がついてキレイな上に
3色以上で染めた効果がある
(3色で全体に染めたら3色にしかならない)
そして
こちらはkota、アヤパンチームのデモ
ブリーチon水溶です
彩度をマックスに高く設定しても
柔らかくなる、ぼけるのがコナカラーの特徴。
思い切った色選択がポイントです
kotaくん、アヤパンは初めてのデモンストレーターということ。堂々たるものでしたよ。Good job!
モデルのバミちゃん、ユカちゃん、長丁場でしたがほんとありがとうございました。
HCカラー長谷川先生のデモ
とても分かり易い説明です。施術も丁寧。
視覚の特性、性質を踏まえながらの説明もあり、皆聞き入っておりました。
うれしかったのは昔私の講習を受けたことがある長谷川先生が何と!
私の塗布方法を採用してくれておりました。感激でした。
王道アルカリカラー山口先生のデモ。
塗布テックニックを見ようと集まっております。
塗布量、塗布方法などホイリングを含め
完璧な塗布のデモ。
生山口先生に感動する私。なにせ若いころの憧れですから!
最後は山口先生、長谷川先生、帝さん、私の4人で記念撮影
Re:AL~染ノ章~
『百花繚乱』でした
ありがとうございました。
こんな機会はないのでコナカラーを少し説明しておきたいと思います
さてさて、コナカラーとはどんなカラーなのか?
「パフォーマンス性が高く、質感を特化させたカラー」
と私は思っております
水と混ぜるというだけで何か優しいスペックだと感じてしまいます。またコナ状ということ、あからさまに形状が違うので演出性が高い。これは大きな長所として活用すべき。大雑把ではあるがコナカラーをもうすこし紹介します。
「色」選択幅がアルカリカラーに比べ狭い=明度幅はそれなりにでるが、高い明度は色が薄くアンダー色が強くでる。彩度が低い。色相の差があまりでない(色彩豊富、色鮮やかの反対)
「質感」ツヤ有 (マットの反対)
「材質」強度、弾力有 (柔らかいの反対)
「比重」重い(軽いの反対)
「種類」生薬粉が配合されたタイプと抽出エキス粉が配合されたタイプがある。また通常はリフトアップ力がない通称水溶タイプが主流であるがオキシで溶くタイプも存在する。(今回使用したのはノンリフトタイプの水溶タイプ)水溶タイプはリフトを諦めたことで髪に対する負担を軽減している。
それなりに工夫すれば調整し、上記の限定を解除出来るだろうができるだろうが「シンプルの集積」というテーマを根本に持っているので普通に使う。もし仮に複雑にするのであったとしても、シンプルを組み合わせたプロセスが生む「結果的な複雑」でないと共通言語を持てないことが多く、人に伝えることが困難になると考えているからだ。
コナカラーを操作する上で大事なことは
①彩度が高い色を求めるならばアルカリカラーなど他のカラー剤と併用する(私はミックスよりレイアウトで表現するほうが多い)
②アンダーを削る力が弱く、またアンダーをカバーする力が弱いので色表現はアルカリカラーとは全く別次元であるためアルカリカラーと同じことを求めない。自色とコナカラーの色味と独特のツヤがもたらすハーモニーを楽しむことをオススメしています。
③1剤と2剤を混ぜる時間はクリームカラーより長く。30g以下は3分、以上は5分を目安に。粉+液体を均一に混合するほうが労力も時間もかかって当然だろう。(因に私は普通のヘアカラーもかならず時間を計る。まぜる時間を均一にしないでどうやって薬のクオリティを一定化しているのか私には理解できない。ほとんどの美容師さんはカラーのミックス時間を計っておらず、また混合不足は無駄なダメージを生む可能性がある)
④シャンプー時にブラシスルーすることで残留の粉末を除去。仕上がりの質感向上となる。
コナカラーの導入の仕方
①引き出しの一つとして(助剤としてアルカリカラーに混合。他のカラーと組み合わせたり局所的に使用)
②メニューの一つとして
③コンセプチャル・サロンとしコナカラーに特化する
④飾りw
⑤導入しない
以上コナカラーのポイントについて書いてみました。
あとがき
今カラーを学んでいる美容師さん、これから学ぶアシスタントの方へ。ヘアカラーする上で、リタッチワークだけでも、ワンメイクカラーでも、ホイルワークもすべて「デザイン」だということを知ってもらいたい。目的があってそれに向かって計画と設計をしている時点でその行為がデザインである。ホイルワークやグラデーションや複数色配置してるカラーのみをデザインカラーとプロが呼ぶことは間違いです(素人ならなんて呼ぼうがいいと思う)。
目的を達成するためにカラー剤をチョイスする。
目的を達成するために色を選択する。
目的を達成するために配置(レイアウト)を選択する。
ただヘアカラーの場合面白いのは、白い紙に色をつけるのとはちがい、化学反応だったり、髪の色と合わせての見え方なので言ってしまえば『偶発』的な結果なのだ。「イメージ通りに染まる」というのは「推測通り」ということであり、実は何とも抽象的なことである。事実は「美容師が狙って出した」のではなく、「この色を塗布したら結果こうなった」というのがヘアカラーだ。人が介在できない世界であり、ヘアカラーが髪を染めているのだ。髪の毛の中でナニが起こっているか?なんてのは化学的な立証があったとしても確実ではない。いつ覆されるかわからない世界。またカラーの醍醐味は、すりあわせた結果でなくとも「イメージ通りで気に入った」と評価されたり、逆にすりあわせた結果通りであっても「イメージと違う」と評価されることもあるという点。私はヘアカラーに関して「イメージどおり」という表現自体を否定しないし使うけど、本当は「気に入った、気に入らない」というのが正しいと思っています。
レイアウトは具体的である。配置した色は勝手に動かない。あと塗布も具体的だ。ぬってなければ染まらない。塗れば染まる。
最後に色の調合について。
色の調合に長年こだわってやってきたが、何年か前から調合をあまりしなくなった。
せっかく何色もあるのにわざわざ調合して一色にしてしまうのはもったいないというか、価値を低下させているのではないだろうか。
複数の色を混ぜるより、配置したほうが色豊かだ。
あとはヘアカラーは進化した。これからもする。良い方向にしかいかない。良いモノしか出てこない。
なので色を選ぶ目を鍛えた方がいいと思う。調合も楽しいが選ぶ目を同時に鍛えてほしいと願う。
ちなみに
自分はこの3つのカラー(HC,粉,アルカリ)
一つしか選べないとしたらどれを選ぶか?というと
もちろんアルカリカラーを選びます。
なぜか?
色が沢山あって、楽しいから
でもこんなにモノに溢れて
沢山のプロダクツを触られる時代に生まれたのだから
出来るだけ沢山のプロダクツに触れた方がいいと考えています。
以上ありがとうございました。
リンク集
http://yumotrip.asia/real〜リアル〜染の章%E3%80%80カラーリングセミナー/セミナー
http://ameblo.jp/deco40/entry-12021094056.html
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1082164665132617&type=1&l=93eb2db80a